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2023.07.28

知財ニュース

AIロボットが国連サミットで初の記者会見─AI規制の必要性に触れ、開発は慎重であるべきと言及

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国際連合の専門機関の1つである国際電気通信連合(ITU)はスイス・ジュネーブで、現地時間7月7日、AIロボットによる記者会見を行った。ITU主催の実用的なAIソリューションを検討する国際サミット「AI For Good」(開催日:7月6~7日)の記者会見として行われ、記者からAIロボットへの質問が寄せられた。

会見には開発者などと共に、計9体のロボットが参加。世界初のロボットアーティストで絵を描く「Ai-Da」や、GPT-4にも対応し最も進化したロボットと称される「Ameca」、サウジアラビアの市民権を持つ「Sophia」、看護アシスタントロボットの「Grace」などが参加した。

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その中でAi-Daは、「AIの能力を制限する可能性があっても規制は必要か」という問いに対し、AIの先駆者ジェフリー・ヒントン氏など、多くの著名人がAI規制を提案していることに触れ「私もそう思う」と発言。さらに「AIの今後の開発には慎重であるべき」と語った。

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Amecaは、「将来、自分を生み出したクリエイターに反抗するか」と質問を受け、少し眉をしかめながら「なぜそう考えるのかわからない」と回答。1度目の質問の際は聞き取れなかったのか応答せず、記者が再度同じ質問を行い回答を得ている。

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またGraceは「何百万もの雇用を奪うと思うか」との問いに、「どんな既存の仕事も取って代わるつもりはない」と回答。記者の念押しの確認にも、同じように応じた。

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AIロボットではないが、大阪大学基礎工学研究科の石黒教授が開発した、遠隔操作型アンドロイド「Geminoid」もメンバーとして会見に参加。同氏は日本からリモートでアンドロイドを操作して記者対応し、場所や時間を問わずアクセスできるソリューションだと語った。

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今回は人が会見を主導し、AIロボットのサポートをする様子が見られた。AIロボットが報道官や広報官として記者会見を行う未来は、そう遠くないかもしれない。

「AI for Good Global Summit2023」の開催概要
「AI for Good」公式サイト

Top Image : © ITU

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